もう少しですね
歯の移動と言うのは時間がかかります。
医学的な話をしますと、
歯を動かす力をかけると、歯の根の周りに骨を壊す細胞が現れます。破骨細胞と言うものです。
これが、歯の移動方向に向かって骨を壊し始めるので、歯がそこの空間に動くのです。
そして反対側に骨を作る細胞が現れて、空間を埋めていきます。
これが連続して起こるので、歯が移動していきます。
実は矯正と同じ現象は常に骨の中で行なわれています。
破骨細胞が正常な骨を壊し、その後から骨細胞が骨を修正しています。
これを数ヶ月間行なうことで、身体の中にある骨はすっかり新しいものに置き換わっていきます。
この置換作用は全ての細胞で行なわれていて、これを利用することで骨折が治り、矯正が出来てるのです。
歯を動かす速度も重要です。
早く動かそうとして大きな力をかけると、歯は動きません。抵抗して固まるのです。
弱い持続的な力がかかることで骨の置換が行なわれて移動を始めます。
矯正治療が進んで終了間際になると、殆ど歯の移動は行なわれません。
微妙な位置のずれを、先生が直接目で見て、わずかな修正を行なっていきます。
修正が終わったら固定に入ります。リテーナーを取り付け、ワイヤーなどの矯正器具を外すのです。
この瞬間、歯は強制的な束縛から解放されます。
ですが、移動させられていた歯は、骨との接合が弱くなっているのでグラグラです。
しばらくは歯の動揺が収まるまで安静にさせます。
ここまでくればあとはもう少しですね。
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2015年6月21日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:矯正治療の流れ