大手術!



矯正治療と言うのは、多くが歯の移動を中心に行ないます。
器具を歯に取り付けて、それをワイヤーで引っ張って動かします。
徐々に歯が動けば、歯並びが改善すると共に、骨格も変わってきます。

処置前の診断で、歯を動かせばどのような骨格になるのかは、想定して行ないますが、
歯を動かすだけでは改善できないようなゆがみやずれがある場合は手術になります。

矯正で行う手術は、上の顎、下の顎を切って伸ばしたり、短くしたりするのです。
例えば出っ歯の人がいたとします。
診断では、歯を後ろに下げるだけでは出っ歯が治らないとします。
そのときは顎を全体に後ろに下げる手術を行ないます。

日本人に多い、顔の中心部分がへこんで、下あごが前に出ている人の場合は、両方の顎に対して手術を行ないます。
まず上の顎を前に引っ張り、次に下の顎を後ろに下げます。

アジア人は、中顔面(鼻の辺り)の生長が悪く、前に出てこないケースが多いのです。
子供のころに気がついたら、この部分を前に引っ張る処置を行ないます。
子供のうちはまだ骨も成長期なので、引っ張ることで改善が見られます。
しかし大人になると引っ張っても殆ど出てきません。
その場合は手術するしかないのです。

矯正治療は、歯を動かすだけではなく、顎全体の調和をとるために、どのような処置を行なうべきかと言う事を考えます。
その結果として手術もあるのです。

photo by: USAG-Humphreys

タグ

開始時期はいつから



矯正を行なうのに最適な時期はいつでしょうか。

子供をつれた母親が診療所で先生によく相談しています。
最近の母親は、子供の歯並びが少しでもおかしいと、すぐに連れて行きますね。
中には1歳とかでつれてくる親もいます。

さすがに1歳児に矯正は出来ませんが、9歳から10歳くらいになると矯正を開始しても良いでしょう。
矯正の器具を取り付けるには、痛みを伴います。
その痛みを我慢して、自分で手入れが出来る年齢にならなくてはいけません。
言い聞かせが出来て、自分で歯磨きも行える年齢と言うと、10歳前後でしょう。

ようは、当事者の意識が矯正治療を行なうことを理解できるかどうかと言うことです。
もちろん、歯の生え変わり時期も考慮して行なう必要はあります。

では成人の場合はどうでしょうか。
これはいつでも構いません。
すでに骨が成長を終えて、殆ど固定しています。
歯の位置も大きく変わることが無いので、いつでも行なえます。

歯周病やインプラントの治療の関係で、60歳を過ぎて矯正を行なうこともあります。
ただし、大人の場合は子供と違って歯の生え代わりがありませんから、抜歯を行なうことが必要になります。
骨の大きさや歯とのバランスが悪ければ、大きな処置になりやすいです。
それに治療期間も長くかかります。

ですので、矯正治療を開始するのは、子供の場合は10歳前後、成人はいつでも出来ると思ってください。

photo by: » Zitona «

タグ

2012年6月27日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:矯正歯科の種類

大人も子供も



歯並びの悪いのは大人も子供も一緒ですね。
子供のころから歯並びが悪ければ大人になっても治りませんし、大人の場合は一生そのままです。

今は子供も大人も同じように治療を受けに来ます。
昔は圧倒的に大人が多かったのですが、今では子供の方が多いですね。
それだけ歯並びに対する意識が変わってきた証拠でしょう。

子供が大きくなったときに、歯並びが悪くて損をすることが多ければ、それは親の責任になります。
親も、歯並びが悪くて嫌な思いをした人が、せめて子供にはそんな思いをさせたくないと、早い段階で矯正治療を受けさせていますね。
矯正の治療は長期間ですので、早く始めれば、それだけ早く終わります。
大人になってから行なうよりも、子供のうちに始めるほうが、何かとメリットがあります。

まず、子供の方が骨が柔らかく、再生も早いということです。
抜歯の有無とは関係なく、歯の移動も骨の変化も早いので、移動が楽です。
保定期間(後戻りを防ぐ期間)も短いのが子供の特徴です。

ただ、子供はむし歯が出来やすいので、矯正器具に汚れが付着してむし歯が出来てしまうことがあります。
まめに掃除をして、汚れを取るようにしなくてはいけません。

大人でも、矯正期間は長い人で3~6年もかかることがあります。
子供ですと10歳ごろから始めても、中学生には終わっています。(ケースによります)

出来るなら子どもの時期に終わらせておきたいですね。

タグ

このページの先頭へ